ホーム > ニュース > 2014年10月1日

韓国社会の人種差別問題、国連が調査を開始!外国人排斥などの問題の実態調査を開始した。

AFP=時事】人種差別に関する国連(UN)の特別報告官が今週、韓国でみられる人種差別や外国人排斥などの問題の実態調査を開始した。

 アジアで最も単一民族社会に近い国の一つである韓国では、まだ規模は小さいものの外国人の人口が増加しているが、韓国人から常に歓迎されているとは言えない。例えば、テレビ番組で顔を黒く塗ったパフォーマンスをしたり、「ディス・アフリカ」という新銘柄のたばこの広告でニュースアンカーの服を着せたチンパンジーを登場させたりといったことが起きている。

韓国社会の人種差別問題、国連が調査を開始!外国人排斥などの問題の実態調査を開始した。

「これは知識不足によるところが大きい」と、 韓国のシンクタンク、峨山政策研究院(Asan Institute for Policy Studies)のキム・チユン(Kim Ji-Yoon)氏は言う。「人種差別とは何かを理解していない人や、言っていいこと、いけないことがあることを認識していない人がこうした行動を取るのだ。私たちはこういった教育をまだ受けていない」

 低賃金で肉体労働をしている外国からの出稼ぎ労働者たちは、もっとあからさまな差別も受けている。また、2012年にフィリピン系韓国人のイ・ジャスミン(Jasmine Lee)氏が外国出身者として初の国会議員になった際、インターネット上では悪意にあふれた人種差別的なバッシングが起きた。

 先月29日から1週間の調査を開始したムタマ・ルテレ(Mutuma Ruteere)特別報告官は、労働省や外務省、国防省、司法省、教育省などの大臣らと面会する予定だ。

 外務省の当局者は「彼(ルテレ氏)は韓国軍が多民族の背景をもった兵士たちにどう対応するのか、学校の教科書は差別問題についてどう教えているのか、外国人労働者はどう扱われているのか、どんな規則や法律が施行されているのかについて関心を持っている」と語った。

 今回の訪韓をふまえた同氏の報告書は、2015年に国連人権理事会(UN Human Rights Council)に提出される。

■経済に基づく人種差別?

 延世大学(Yonsei University)のキム・ヒョンミ(Kim Hyun-Mee)教授(社会科学)は、韓国における人種差別は同国が経済的に急成長をしたことにも一因があると指摘する。同教授は韓国の英字紙ザ・コリア・ヘラルド(The Korea Herald)のインタビューで、韓国人は経済成長に執着するあまり、他国をその経済力で順位づけするようになったと語っている。

「韓国人は一つの集団として、米国や英国など先進国は自分たちより優れていると認識し、一方で途上国に対しては、何の根拠もなく自分たちより劣る存在だとみている」

 韓国人の強い民族主義は、長く孤立状態が続き、中国や日本という大国に常に脅かされてきた歴史に基づいている。だが最近の調査結果によると、そのアイデンティティーもやや揺らぎ始めているようだ。

 海外旅行をする韓国人の数は、2006年の約50万人から、2013年にはほぼ3倍の145万人に急増。これは全人口の3%余りに相当する。

 韓国に移住してくる外国人の多くは、中国や東南アジアからの出稼ぎ労働者や、韓国人男性と結婚した女性たちだ。特に女性たちは子どもを産むことで同国の人口動態を大きく変化させている。政府の統計によると、外国人との結婚で生まれた「多民族系」の子どもの数は、2007年の4万4000人から2013年には20万人近くにまで急増した。

■「韓国人」の新たな定義

 キム・チユン氏は、「韓国人であること」の定義が変わってきていると指摘する。峨山政策研究院が2013年に行った世論調査では、「韓国人」の条件として血統が重要だと回答した人は、60代以上で81.5%だったのに対し、20代では55.5%だった。この結果は、民族性より市民権を重んじるナショナリズムへのシフトを表していると、キム氏は分析している。

 ただし、韓国の移民の増加や多文化へのシフトはまだ始まったばかりだ。「外国人が人口の3%というのは、まだ規模としては小さい。これが5%、10%と、政治的な団体を組織したり、韓国人から『脅威』とみなされるようになったりしたときに、どんな変化が起きるかが興味深い」と、キム氏は言う。「そして多民族な子どもたちが成長し、一流大学への入学やホワイトカラーの仕事を奪い合うようになったときに、問題が生じてくるのだ。今はまだ表面化していないだけだ」

 

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